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特殊校正フォースプレート(帯鋸盤切削力測定専用FP) ー製材機で木材を切削する際の切削力をセンシングー

国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所 木材研究部門木材加工・特性研究領域 木材機械加工研究室
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所 木材研究部門木材加工・特性研究領域 木材機械加工研究室

木材加工における課題


建築で使用する一般的な木材にするためには、製材機で原木を挽いて角材にする必要があります。

製材機も様々な種類がありますが、その中で帯鋸盤では、木材を送る速度、刃の形状や研ぎ方、回転速度など様々な要因で木材加工面は変わっていきます。木材の種類についても成長応力(※1)が異なることから、切削した際の応力の開放(反ったり、曲がったり)の影響や、弾性回復(※2)の量も影響があると考えられています。もちろん、加工精度を高めて、均一な木材にすることが求められますが、鋸が蛇行してしまう時や、刃こぼれによって切削面が荒くなってしまうこともあります。その場合は、モルダーでプレーナー仕上げ(表面を平滑に整える)する作業が通常より多く必要になり、作業効率が落ちてしまいます。

今回は製材機の中で帯鋸盤の切削力をフォースプレートでセンシングすることによって、
   ・帯鋸の走行方向の力(Fz)
   ・木材を送り出す方向の力(Fy)
   ・帯鋸が蛇行する方向の力(Fx)
を分力して計測します。

力の観点から、切削における木材の特徴や刃の状態をアプローチし、最適な加工条件を導きます。

 

(※1)成長応力
木が樹木として成長している間に樹木の内部で発生する応力で、風や斜面や重力に耐えて、真っ直ぐに伸びようとする際にそれに耐えようと発生する応力のこと。

 

(※2)弾性回復
物体に加えていた外力を取除いても,物体の変形が瞬間的にはもとに戻らずに,時間の経過とともに次第に復帰する現象のこと。 弾性後効果ともいう。

帯鋸盤の刃
帯鋸盤の刃
帯鋸盤全体
帯鋸盤全体

フォースプレートのセンシング技術のポイント


こちらのフォースプレートは通常の校正ではなく、特殊な校正を行ってます。
木材をフォースプレートに固定して切削力を計測するわけですが、今回、木材の切削ポイントがフォースプレートの外側にあります。これはフォースプレートセンサの外に力点があるということです。通常フォースプレートや力覚センサは受感部や受感面で力を受けることが前提で、受感部、受感面で校正をとります。今回はセンサの外で校正をとることによって、実際の計測に則した力のセンシングとなり、より正確な計測を行うことが出来ます。
このセンサ外の遠隔に働く力の計測をするための特殊な校正は、これまで培ってきた力計測のノウハウの一つになります。

FPに木材固定してFP外側にはみ出した部分を切削
FPに木材固定してFP外側にはみ出した部分を切削
FPセンサ内で荷重を受けた場合の各センサの出力イメージ
FPセンサ内で荷重を受けた場合の各センサの出力イメージ
FPセンサ外で荷重を受けた場合の各センサの出力イメージ ※あくまでイメージとなります。荷重のかかり方によっては複雑な出力となります。
FPセンサ外で荷重を受けた場合の各センサの出力イメージ ※あくまでイメージとなります。荷重のかかり方によっては複雑な出力となります。

 

 

国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所

https://www.ffpri.affrc.go.jp/ffpri.html