スターティングブロックフォースプレート ー 短距離走のスタートに関する力計測 ー
タイムを縮めるために
短距離走のタイムを縮めるには身体の強化だけでなく、様々な走行に関するテクニックが必要です。スタートの仕方も重要なポイントとなります。
「On your marks(位置について)」の言葉で選手はスタートラインに並び、その後「Set(用意)」の合図で選手はクラウチングスタートの姿勢に、そして「ピストルの合図」でスタートします。
クラウチングスタートにおいて、Setで静止した状態から身体を前に進めるには、スターティングブロックに対して力を加える必要があります。スターティングブロックの位置や角度は、選手によって様々です。選手がスタートで最高のパフォーマンスを発揮するための条件には、スターティングブロックを蹴る(力を加える)方向や、加えられた力の大きさ、力の発揮の仕方などが挙げられます。これらを詳細に検討するには、まずは選手がスタートで力を発揮している状態を定量的に見る必要があります。
スタート時の力のセンシング
今回はスターティングブロックにピッタリ合ったサイズ、定格容量のフォースプレートを特注で設計しました。これにより、選手がスタート時にどのようにスターティングブロックを蹴り出して(力を加えて)、身体を前に進めているのかを数値化して検討することができ、選手は客観的に自分の動き方や力の加え方を知ることができます。
また、タイムを縮めるためにはスタートティングブロックへの力の加え方だけでなく、最初の1歩目での力の加え方も非常に重要になってきます。いかに早く、効果的にスピードを加速することができるかは、一歩目の着地の仕方や力の加え方が関係してきます。スターティングブロックへの力発揮に加えて、1歩目も加えられた力の大きさやその方向を計測し、力の発揮の仕方を定量的に評価することで、課題の発見やトレーニングに活用します。
将来的には、スプリンターがトップスピードに至るまでの加速のプロセスを全て可視化して、最適な力の発揮の仕方やスタートダッシュのフォーム、それらに関する適切なフィードバックができるシステムを目指します。
またクラウチングスタート姿勢の手を置く部分にも長いフォースプレートを仕込んでおり、手足のバランスの取り方にもアプローチすることができます。
走行路について
城西大学では短距離走スタートが違和感なくできるように約10mの走行路を用意しました。走行路には走路面とフォースプレートに段差が出ないような設計が施されています。また、実際の競技場面と同様のスタート動作ができるように、走路の表面はタータン仕様となっており、スパイクを履いた状態でスタート時の力を計測できるようになっています。
※フォースプレートもタータン仕様になっていますので、何も違和感なくいつもと同じパフォーマンスでの計測が可能です。
※歩行路/走行路は使用するフォースプレート、表面の素材、設置環境、運用によって最適なものは様々です。専用歩行路/走行路の製作に向けて事前打ち合わせを行なっております。