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論文・技術情報

東京大学 野崎大地 教授との共同研究のご紹介 vol3

技術情報

【9軸モーションセンサー IMS-SD】
【9軸モーションセンサー IMS-SD】

■ 9軸モーションセンサーを用いた競技用ボートの挙動計測 (3名)

■ 競技用ボートの中央部に9軸モーションセンサーを取付け、実際のコースを

漕いだ時の挙動を計測及び考察

特徴

1. 3軸加速度・3軸ジャイロ・3軸地磁気データの取得

2. 内部搭載SDカードへデータ記録(サンプリング1KHz)

3. Bluetoothよるワイヤレスモニター(専用ソフトウェア)

4. 姿勢角推定(ゆるやかな動作に限り)

主な仕様

・サイズ 54mm×42mm×15mm

・重 量 30g

・レンジ 加速度±30G、角速度±4000deg/s、地磁気±300μT

・最大サンプリング 1KHz (SDカード記録時)

・連続動作時間 約2.5時間

・同時使用 最大20台

モーションセンサーの詳細はこちらかどうぞ

加速度変化(全ストローク平均波形)

【前後方向成分(赤線)の考察】

・S1、S2のデータはキャッチ前にボートが加速している

→シートがテール側に加速している可能性がある

・ストレッチャーが身体の加速度を受け止めている為、その後のボート減速が大きい

→ただし、その分キャッチ時にストレッチャーへ強い力がかかるようで、

キャッチ直後のボート加速は強い(Kleshnevはトランポリン効果と呼んでいる)

→キャッチ直後で波形が波打っている

コネクションがスムーズに行われていない可能性がある

・S3はシートの加速がほとんど無く、キャッチ前の減速が小さい

→一見良く思えるがキャッチ直後のボート加速が弱くなっている

→ただし、ストローク前半のボート加速度はスムーズ

艇の傾きの角速度(全ストローク平均波形)

【ロール(赤線)の考察】

・S1はキャッチ前に左に傾き、ストローク中からフィニッシュにかけて右に傾く

・S2はフォワードからキャッチにかけて右から左に傾き、さらにフィニッシュで左に大きく傾いている

・S3はS1.2に比べて安定しているように思える

・【ピッチ(青線)の考察】

・キャッチ前、艇尾側への沈み込みはS3が一番小さい(加速度データと整合性がとれている)

・キャッチ及びフィニッシュで艇尾が沈むが、この動きが一番小さいのがS1

 →ただし、ストロークが強ければ艇尾も沈み込む為、

どのようなパターンが良いかは一流選手を測定する必要があると思われる

9軸IMU:IMUは慣性計測ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)の略です。